契約の恋愛
「死ぬのなら、何が起きても文句はないはずです。死ぬまでの間、契約を結んでください。」

……確かに死ぬのなら、何が起こってもいいと思っていた。

それは事実。

私はふぅと軽くため息を吐いて、男を見た。

「からかってないの?」

「まさか。私は本気です。」
ありえないというような男の仕草を見たら、どうやら冗談を言っているわけじゃないみたい。

この時、確実に私の判断力は狂っていた。
ただ…死ぬのなら、何かアクションを残しておきたい、そう思ったのだ。

言い忘れていたけれど…

別に私は死にたいわけじゃない。ただ、生きる意味がないだけで。

証拠が欲しいだけで。
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