契約の恋愛
「…えっと…誰ですか?」

「んっ?俺?」

男はあぁとうなづいて、璃雨からほんの少し距離を置いた。

とりあえず男との距離ができて胸をなでおろす。

男はそんな私を見て、ニカッと笑った。

「俺、西山日向です!!ここの生徒!!」

……はぁ。

璃雨は曖昧に笑う。

ここからだと男の顔がはっきり分かる。

二重のどっちかというと女の子っぽい瞳に、きれいな肌。髪はきれいな栗色で適度に盛っている。

笑顔は更に愛らしく、誰が見ても近寄りやすい雰囲気を放っていた。

総合すれば、イケメン。

西山日向という人は、ニコニコとしていて、逆に璃雨からしたら気持ち悪かった。

知らない男から声をかけられ、ニコニコされても困る。

「そんな怖い顔しないでって!」

「…はぁ。」

…知らないよ。

璃雨は、軽くため息を吐く。
< 186 / 236 >

この作品をシェア

pagetop