契約の恋愛
………。

「最初はまさかあんな若いのにって疑ったよ?だってまだ俺とそんな年変わんねーもん。でも、何日かたったある日…その人が旦那さんと一緒にいるのを見たわけよ!」

………。

「あー、あんな若いのに子連れに旦那持ち…。マジでショック…。そのせいで何かボーっとしちゃってさぁ。悩んでるんだよ。」

………。

「なぁ、紀琉。どう思う…って!!おい、紀琉!!?」

「………なに。」

「お前俺が話してんのに、何勝手に帰ろうとしてんだよ。ほら、こっち座れ!!」
………。

俺はしぶしぶ元いた位置に戻った。

「はぁー。俺ヤバイかも。マジであの人可愛いもん。てか、紀琉。お前顔死んでんぞ。」

俺は、力の入らない顔をゆっくり恵流の方に向けた。
……真剣に聞こうとした俺がバカだった。

こいつはこーいう奴だ。

「……つまり、その美人に恋をしたと。」
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