契約の恋愛
黒澤さんは、微笑のまま口を開く。

窓をほんの少し開けていたので、隙間から入ってきたぬるい風が二人の間を吹き抜けた。

「まぁ…。そうですね。そういう雰囲気になれば当然…って所ですか。」

…という事は、そういう雰囲気になればそれ以上の事もすると。

そう解釈してよろしいんでしょうか。

まさか…この人、体が目的とか…。

でもそれだったら、もうとっくに襲ってるか。

私は頭の中で、色々と計算しつくした後渋々うなづいた。

断る理由もない。とことん流されてみよう。

そんな答えが、私の中で出てきた。

「…構いません。分かりました。」
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