契約の恋愛
と、頭の中で色々考えている内に予鈴がなってしまった。

次々にクラスメイトが席に着く中、私一人あごに手をやりもんもんと考えこむ。
次の教科は英語。

あー、いーや。捨てよう。
それより、紀琉の事どうしよう。

う~ん… 。

「璃雨っ。」

う~ん…。

「璃ー雨っ。」

う~ん…。

「璃雨ってばっ。」

……。

「璃……。」

「うっさいなぁっ。何?陸飛。」

人が考え事をしている時に……。

こいつはいつもタイミングが悪い。

私は隣の席てしゅんとなっている男、田辺陸飛を睨んだ。

陸飛はしゅんとしたまま机を指さした。

「…教科書忘れたから見せて…下さい。」

またかよっ。

「またぁ~…?亮也に借りてって言ったじゃん。何で借りないの?」

亮也というのは、陸飛の幼なじみの男で学校一の不良男。

見た目は怖いが、中身は結構優しい。
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