契約の恋愛
黙りの優瑠が、抵抗する私を冷たく見下ろした。

「ちょっとこっち来い。」

そう吐き捨てて、強引に私の腕を引く。

璃雨も必死で抵抗したが、やっぱりかなわない。

足をずるずると引きずりながら、食堂から出された。
「……っ。…離してよ。」

「……。」

「…優瑠…っ!!!!」

あんたはあたしをどうしたいの。
あんなにも、璃雨を奴隷のように扱ってきたじゃない。
…もう、やだよ。

…紀琉。

…紀琉。

深く息を吸う。

「紀琉っ!!!」

その途端、私の腕を引く優瑠が一瞬にして視界から姿を消した。

本当に一瞬の事で、璃雨は目を見開く。

コツコツと革靴の音が近づいてくる。

そして、璃雨の前で静かに止まった。

「呼びました?」

心配そうな、無理したような笑みを浮かべながら。

私の待ち望んでいた人は、ヒーローのようにちゃんと展開通りに姿を現した。
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