ずっと抱いてて
 この作家には書かせてみる価値があるなということだ。


 こういった文芸賞におけるコネクションもあるにはあるのだった。


 そしてボクは受賞後第一作をすぐに書き上げた。


 それも恋愛小説で、愛海との思い出を書き綴ったものだ。


 リリースした本が予想以上に売れ出し、いつの間にか、ボクは若年ながら作家業で生計が立つようになっていた。


 そしてボクは原稿を書き続けながら、自分に小説を書くだけの動機を与えてくれた愛海のことを思わない日は一日もない。


 どんなに季節が過ぎ去っていっても、想いは消えないのだ。


 彼女はボクの中でまるで偶像化されたようにして、残り続けている。


 とても大切で、壊れ物のように脆(もろ)くも儚(はかな)く、そして切ないまでに……。

                             (了)
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