Secret Prince
「初めて、・・・・・・・・・・ビオラの姿、
 まともに見られた・・・・・。」





今までは、人格が入れ替わる時、一瞬すれ違う事しか
なかったのに、今は、ちゃんと目の前にいる。
いや、いてくれてる。
































【うん、そうだね。
 俺も、初めてだよ。
 藍斗、・・・・・・・・綺麗だよ・・・・。】





そう言って、ビオラは俺を、そっと抱き寄せた。
鼻を掠める、ビオラの髪の仄かに甘い香りが、
俺を酔わせていく。
そんな俺の首筋に、ビオラは、感触を確かめるように
キスを落とす。



































「ビオラ、・・・・・・・お願い・・・・・・。
 俺の元から離れないで。
 どこにも、・・・・・・行かないで・・・・・・。」




本音を口にしてしまうと、涙が溢れてきた。
ビオラは、何も言わずに、ただ、その綺麗な人指し指で、
止まらない涙を掬い取っては、何度も優しく拭ってくれた。
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