Secret Prince
「えーと、…………ティラミスとかって、その、……流石に作れませんよね?」


俺は、正直言って、甘すぎるのは好きじゃない。
少し、苦味か酸味が入ってて、それも主張しすぎていない、
そんな感じのデザートが好きだ。
贅沢だと思うかもしれないけど、仲間同士で食事に行った時は、
大抵そういった食事をしていたから。
あ、仲間っていうのは、仕事仲間って事ね。




















「へぇ、見かけを裏切らない、……大人だね。
 でもね、ここの寮でそういう嗜好しているのは、僕と雅くらいだから、
 ふふ、……新たなお仲間誕生、だよ。」


そう言ってもらえると、何だか嬉しかった。
この人には、いつも笑っていてほしい。
脆い所とか、儚い所とか、さりげない行動や言動の中に見え隠れしているけど、
…………笑顔は、とても穏やかで、綺麗な人だ。









「皆、パフェとかが大好きなんだけど、僕とかは、ティラミスとか、
 ……ちょっと苦めのトリュフとかね、そういうのが好きなんだよね。」


ふふ、と笑って、俺に語りかけてくれる。
俺もつられて、思わず、笑顔になった。
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