盲目の天使
それから数日間、リリティスは、侍女たちと部屋で編み物をしたり、
ノルバス国の衣類の着方などを習って、楽しく過ごしていた。
もともと、幽閉されて、冷遇されていたリリティスには、敵国とはいえ、
むしろノルバス国での扱いのほうが、天国に思えた。
オルメをはじめとする侍女たちも、リリティスの人柄に触れ、
彼女を慕うようになっていた。
カルレインは、日に3度は、リリティスの部屋を訪れ、贈り物をしたり、
たわいもない話に花を咲かせていた。