盲目の天使
怒気を含んだ声音に、一瞬にして部屋の空気が変わった。
「カルレイン様・・・」
リリティスの澄んだ瞳から、涙が一筋流れていく。
カルレインは、きつい言い方をしたのかと、自分を責めたが、リリティスの想いは、そうではなかった。
「あ、ありがとうございます。私は、カルレイン様を信じております。
でも、時々ふっと不安になって・・・、私の目が見えないように、
私は、自分に都合の良いところしか聞き取っていないのではないかと思えて・・」