盲目の天使
「そんなことはない。お前は私のことだけ信じていれば良い」
カルレインは、そう言いながら、リリティスの肩をやさしく抱き寄せた。
「はい。もう二度と、自分のことを捕虜とは申しません。
ですから、どうか!
どうか、私を嫌わないでください。
カルレイン様に嫌われたら、私、私は・・・」
話しているうちに、だんだんと嗚咽が激しくなり、言葉を紡げなくなって、
リリティスは、両手で顔を覆う。
「リリティス。私がお前を嫌ったりするわけがないだろう」
カルレインは、リリティスの両手を握って、顔から離すと、
彼女の腕を、自分の背中に回させた。