盲目の天使



まったく、俺は、この微笑にやられっぱなしだな。



リリティスの顎に手をかけて、唇を挟み込むように口付けを落とした。

そのまま受け入れてくれるかと思っていたのに、

リリティスは、首を振って拒絶した。


「カ、カルレイン様。皆が見ております・・」


泣いていたせいで、侍女が下がる気配を感じ取れなったリリティスは、

今の口付けを、侍女たちに見られたのだと勘違いして、羞恥に赤く染まる。


とたんに、カルレインは、加虐心がうずいて、リリティスの耳元に、

息をかけるようにして、わざと艶やかに囁く。


「かまわん。皆に見せてやれ」



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