盲目の天使
「腹違い?」
「はい、先ほどお聞きになったとおり、兄の生母は亡くなっております。
私は、今の王妃の息子です」
「そうなのですね。なんの知識もない田舎者で、失礼いたしました」
「とんでもない!」
どうぞ、立って下さいと言いながら、アルシオンは、リリティスの手を取った。
杖も拾って、リリティスの手に握らせる。
「ありがとうございます。アルシオン様」
ずいぶんと、声が明るい方の様だけど、お若い方なのかしら?
カルレインの低い声と比べると、アルシオンの声は、まるで少年のようだ。