盲目の天使

リリティスの気持ちも、わからぬではなかったが、アルシオンは、自分の気持ちを優先した。


「明日、ここでお昼をぜひご一緒に。別に、人目を引くほど派手なことはしませんよ。

こっそり祝わせてください」


アルシオンに熱心に頼まれて、ついにリリティスは、首を縦にふる。


リリティスの返事に満面の笑みを見せると、

アルシオンは弾んだ声で、では明日、と言って、その場を去った。


リリティスと、もっと話がしてみたい。

カルレインが褒美に望んでいるらしいと、知ってはいたが。



・・政略結婚なら、何も相手が兄上である必要はない。



アルシオンは、その日、一日中、うきうきした気分で、明日のことを考えた。







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