盲目の天使

「では、私がお供いたしましょう」


カルレインより、ふた回りほど年上と思われる将軍の一人が、

沈黙を破って口を開いた。


『コウガイ将軍・・』

『コウガイ将軍が行かれるとは・・』


大臣たちのざわめきが、波のように広がっていく。

コウガイは、勇猛果敢で知られる将軍の一人で、

前王にも仕えた重鎮だ。


「王よ、お許しいただけますか?」


コウガイ将軍が、王に向き直ると、全員の視線が王に集まった。





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