盲目の天使

思案にくれていたリリティスは、ふいに、扉の外に誰かがいるような気がした。

音がしたわけでも、風がにおいを運んだわけでもなく・・、

ただ、直感的にそう思った。



ルシルかしら?



しかし、いくら待っても、扉は開かれる気配はない。



気のせいね。

久しぶり散歩をしたから、気が高ぶっているのかしら。



リリティスは、ベッドに横になると、明日は、自分からカルレインに会いに行こうと心に決めた。


たなびく雲が、月にかかり、明るく照らされていたリリティスの寝顔が、闇に隠れた。






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