盲目の天使
やっとのことで衣装棚の扉に手をかけ、中を開けると、リリティスの服が、整然と並んでいる。
ええと、これは、私がいつも着ているものよね?
手触りと形で、なんとか着るものを選び出す。
・・・本当に愛らしい娘だ。
少しも気取ったところがない。
一生懸命なリリティスの様子を見て、カルレインは覚えず笑みがこぼれた。
その仕草をもっと近くで見たくて、リリティスの後ろに、そっと歩みよる。
しかし、並んでいる服たちに目をやると、彼の口元から笑みが消え、険しい顔つきになった。
これが、一国の王女の着るものか?
服の数自体も決して多くはなかったが、カルレインを驚かせたのは、その質の悪さだった。