盲目の天使

部屋をよく見ると、王女の質素な生活ぶりがうかがえる。



確か、5年前に、王女の両親が死んで、叔父が国王になったのだったな・・。



カルレインが、眉間のしわを深くして、リリティスの境遇に思いをめぐらせていると、


「あの・・・」


戸惑ったようなリリティスのか細い声がした。


「なんだ?」


「その・・着替えをしたいのですが・・」


胸を覆い隠すように服を抱きかかえ、恥ずかしそうにうつむく彼女を見ると、カルレインはいたずら心が湧いてきた。


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