盲目の天使
「俺では不満か?」
リリティスの反応が楽しみで、わざと低く囁く。
カルレインの思惑など知る由もなく、リリティスは、彼の望みどおりの反応を返してしまう。
きゃ、と小さな声をあげて、さらに首をすくめた。
「不満か?
確かに俺では、侍女のようにうまく着替えさせられないかもしれないが」
脱がせるだけなら、侍女よりもうまいんだがな。
カルレインの目が、獲物を捕らえて離さない猟犬のように妖しく光る。
「いいえ、そういうことでは・・」
・・困ったわ。
カルレイン様は親切に着替えを手伝ってくださるおつもりなのだろうけど、
恥ずかしくて、とてもじゃないけど、そんな気にはなれない。
カルレインの機嫌をそこねないように、断る方法を必死で考える。