盲目の天使
もっと喜んでほしい。
もっと笑ってほしい。
ただ、それだけの単純な想いで、カルレインは、腕輪を手に取った。
「お前の誕生日を祝ってやれなかったな。せめて何か贈らせてくれ。
そうだな。今日の宴のドレスに合うものを選ぶか」
「いえ、私は本当に・・・」
楽しそうな、カルレインの言葉とは対照的に、
困ったような、リリティスの声。
「アルシオンからは受け取っても、俺からは受け取れないのか?」
何を薦めても遠慮しそうなリリティスの様子に、カルレインは、少しいらだった。
「そんなつもりでは・・・」
リリティスの笑顔が消えてしまったのを見て、
カルレインは、またやってしまったと、頭を抱えた。
まったく、俺という男は、なんて狭量なんだ・・・。
気にすまいと思いながらも、やはり、リリティスと年の近い弟の影がちらつく。