盲目の天使
「はい。申し訳ございません。
実は、その後自分の気持ちに変化がありまして。
この場で、プロン王にお許しいただきたいのです。
私はリリティスを愛しております。
もはや、褒美として、物扱いすることはできません。
どうぞ、一人の女として、娶ることをお許しいただきたいのです」
カルレインは、大勢の前で堂々とそう述べると、プロンの前にひざまずいた。
みな驚いて、カルレインと、プロンの顔を、交互に眺める。
どちらにしても、リリティスを娶ることに変わりはないのに、
せっかくの王の好意にたてをついたカルレインの行動は、
周囲の者からすれば、理解のできないものであった。
次代の王は、一体何を考えているのか。