盲目の天使

「プロン王、落ち着いてくださいませ。

カルレイン王子もまだまだ若いのです。

きっと、あの王女にだまされているのですわ。


このままでは王としての威厳が保てませんし、どうでしょう。

カナンの王女に酌でもさせて、自分の立場を理解させてやるべきでは?」


ソレイユは、王へお酒をつぎながら、ちらっと、カルレインのほうに視線をやった。

プロンもつられて、カルレインへ視線をむけた。


カルレインは、片手に杯を持ち、反対の手をリリティスの肩に回して、

楽しそうに、何事か耳打ちしている。


リリティスは、頬を染めて、恥ずかしそうに、うつむき、

その頬に、カルレインがそっと手をやる。


その銀髪からは、見事な髪飾りが揺れていて、王の目を引いた。






< 260 / 486 >

この作品をシェア

pagetop