盲目の天使
「プロン王、落ち着いてくださいませ。
カルレイン王子もまだまだ若いのです。
きっと、あの王女にだまされているのですわ。
このままでは王としての威厳が保てませんし、どうでしょう。
カナンの王女に酌でもさせて、自分の立場を理解させてやるべきでは?」
ソレイユは、王へお酒をつぎながら、ちらっと、カルレインのほうに視線をやった。
プロンもつられて、カルレインへ視線をむけた。
カルレインは、片手に杯を持ち、反対の手をリリティスの肩に回して、
楽しそうに、何事か耳打ちしている。
リリティスは、頬を染めて、恥ずかしそうに、うつむき、
その頬に、カルレインがそっと手をやる。
その銀髪からは、見事な髪飾りが揺れていて、王の目を引いた。