盲目の天使
リリティスは、プロンに触れられて、小刻みに肩を震わせていた。
自分がうまくやらなければ、カナンのことだけでなく、カルレインの立場までまずくなってしまう。
まさかカルレインが、自分を愛しているなどと、公言すると思っていなかったリリティスは、
彼の強い想いを改めて知り、自分もそれに応えようと、必死だった。
リリティスの震えを感じて、プロンは、自分の隣で酌をしているリリティスを、改めて眺めた。
閉じた瞳は、長いまつげで覆われ、透き通るような肌が、ほんのりと色づいている。
なるほど。
庇護欲をそそられる。
いや、加虐心をかきたてられる、か?
プロンは、酒を注ぎ終わったリリティスの手を離さず、自分の方へと引き寄せた。