盲目の天使

リリティスの言葉に、カルレインは軽く舌打ちすると、

兵士に対して取っていた構えをといた。


カルレインの様子を見て、複数の兵士が、恐る恐るリリティスの腕をとる。


立ち上がろうとして、リリティスは、ぐらりと傾き、

手助けしようとした兵士が、思わず、彼女の首飾りを引っ張った。


ずっと座っていたので、わからなかったが、少し酔ってしまったようだ。


リリティスは、そのまま転んで、床に手をつく。

首飾りの鎖は、無残にちぎれて、大小さまざまな宝玉が、床に飛び散ってしまった。


「大丈夫か?リリティス」


カルレインが、リリティスを抱き起こした刹那、

プロンが、刃のように鋭い声で、制止した。


「待て!カルレイン!!

その娘に触るな!!」






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