盲目の天使
意外に、肝が据わっている、リリティスの様子を見て、
プロンは、ますます面白くなってきた。
獲物が手ごわいほど、狩りも楽しくなるというものだ。
「なるほど。
だが、買ったところで、毒を入れなければならないな。
毒をどこで入れたのかな?
侍女の誰かか?ルシル、とか言ったか」
リリティスが、カルレインをかばう気だと知った王は、今度は、侍女に話を振ってみた。
「違います!ルシルはそんなことはしません。
きっと、毒ははじめから首飾りに入っていたのです。
王ではなく、私を殺そうとして!
それなら話が分かります」
リリティスが、予想外に大きな声を出したので、王は、目を丸くしてリリティスを見た。
なんと、カルレインだけでなく、侍女までもかばうつもりか。
王は、珍しいものを見るように、リリティスを凝視すると、
顎に手をやって、何か考え始めた。