盲目の天使

「だが、

この私になら、

かわいそうなそなたを、助けてやることもできる。


もちろん、

カナン国も、

そなたの侍女も含めて。


それは・・・」



プロンは、ゆっくりと言葉をつむぐと、良く考えなさいと言って、牢を去った。


一人牢に残されたリリティスは、声を上げて泣き崩れた。




月だけが、リリティスの涙を、見ていた--。










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