盲目の天使

それから、さらに数日がたった。


王は念のため警護の兵を増やし、引き続き調査を進めていた。

容疑は、いまや、カルレインにかかっていた。

しかし、カルレインを、王毒殺の犯人にするほどの証拠は、出てこなかった。


もちろん、カルレインも、独自に調査を進めていた。

毒の入手経路や、首飾りを売った商人、毒を入れた瞬間を見た目撃者探しなど。


しかし、王を狙う敵は多く、犯人の意図もつかめない。

事態は膠着したまま、少しも好転しなかった。


そんな時、首飾りを売った商人の似顔絵を見たアルシオンは、驚いて声をあげた。


「これは、私が髪飾りを買った商人ではないですか」


アルシオンは、毒の入手経路を調べていたので、商人探しはしていなかった。



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