盲目の天使

「本当か?髪飾りをどこで買ったのだ!」


ほんの少し、さしてきた光明に、カルレインは飛びついた。


「城に出入りしていた行商人からです。

あまり売りたくなさそうだったのですが、私がどうしてもと言って、頼んだのです」


「城へ出入りしている者なら、記録があるはずだ!」


カルレインは、大急ぎで記録を調べ始めた。

記録はすぐに見つかった。

アルシオンは、リリティスの誕生日用にと買ったので、日付を覚えていたからだ。


しかし、それを見たカルレインは、眉根をよせ、アルシオンは顔を青くした。


『行商人 べりカム

品物 宝飾品

王妃ソレイユ様のお召しによる』


それは、アルシオンの母、ソレイユが、

べりカムという商人を、城へ呼んだと言うことだった。


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