盲目の天使
今夜も月のさす夜に、高い塔の上で、リリティスはひとり涙を流していた。
あれから何日たったのか、
リリティスには、時間の感覚がまったくなかった。
食事の回数を数えることも、億劫になり、
もはや今が朝なのか、夜なのかもわからない。
いつも聞いていた鳥の鳴き声も、
この高い塔の上では、まったく聞かれなかった。
心に余裕がなく、
鳥が鳴いていても、それを聞きとめていないのかもしれなかった。
何度も何度も、
プロンが言った言葉を、繰り返し思い出す。