盲目の天使
・・よし、今日も、笑ったな。
カルレインは、記憶がないリリティスを、何とか慰めようと、色々試みたが、
オルメやルシルに怒られるのが、一番効果があると知ってからは、
毎回、わざと取次ぎを無視して、リリティスの部屋に入っていた。
「本当に、カルレイン様は、懲りませんね」
ルシルが、カルレインに聞こえるように、リリティスに話しかけると、
彼女の美しい顔に、ふんわりとした笑みが浮かぶ。
カルレインは、それを見るたび、穏やかな気持ちになるのだった。