盲目の天使



そう、私は、この方を愛していたんだわ。

そして、それは、今も・・・。



それは、以前から感じていたことで、すでに、確信していることでもあった。

しかし、リリティスの聞きたいのは、そのことではない。


「それだけ、ですか?」


本当に、それだけ?


「何?」


カルレインには、リリティスの言いたいことが、分からなかった。

しかし、その瞳は自分に何かを求めるように、すがりつくような色をしている。


「私が、愛していた。

それだけでしょうか?」


“私が”という言葉に込められたリリティスの想いに、

ようやく、カルレインは気づいた。



・・・そうだ、俺は、

大事なことを、伝えていない。









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