盲目の天使
リリティスは、カルレインの言葉の半分も終わらないうちに、
視界がぼやけて、何も見えなくなった。
言葉で想いを伝えたいのに、音の出し方を忘れてしまったようだった。
しかし、それで良かったのかもしれないとも、思った。
この想いの全てを伝えるには、とても言葉では、表しきれない。
・・カルレイン様。
リリティスは、カルレインの胸に飛び込んで、
首筋にしがみついた。
自分の持てる精一杯の力で。
突然、体重をかけられたカルレインは、支えきれずに後ろに倒れてしまった。
そのまま、リリティスの体を抱きしめると、温かなぬくもりを感じる。
・・・やっと、手に入れた。
二人を祝福するように、沢山の星たちが、美しく瞬いていた。