盲目の天使
太陽が、大地を照らし始めた頃、リリティスは、ルシルの声で目が覚めた。
・・いつの間に、戻ってきたのかしら。
昨日のことは、夢ではないわよね?
昨夜リリティスは、カルレインの胸で泣き疲れ、そのまま眠ってしまったのだった。
身支度を整えると、すでに朝食の用意ができており、カルレインは兵士たちと一緒に食事をしている。
「おはよう、リリティス」
リリティスが姿を見せると、カルレインの隣に席が用意され、狩ってきたであろう獣の肉を、渡された。
「おはようございます。カルレイン様」
カルレインと顔を会わせるのが、なんとなく気恥ずかしい。
挨拶もそこそこに、目を逸らした。
「あの、昨夜は・・・。申し訳ありませんでした・・」
目を伏せたまま、周りに聞かれないように、そっとカルレインに話しかける。