盲目の天使
「何をあやまる?」
「私、眠ってしまったみたいで・・・。
寝所まで、運んでいただいたのですよね?」
別にあやまるようなことではないのに、とカルレインは思ったが、
むくむくと湧き出た、いたずら心に、体が、うずうずしてしまう。
「本当にそうだな。俺は、傷ついたよ」
「え?そんなに、重かったのでしょうか・・・。すみません」
ますます小さくなるリリティスを見て、カルレインは、笑いを堪えて、わざと低い声を出した。
「あやまらなくていいから、きちんとしてくれるな?」
「は、はい。本当にすまなく思っております」
あぁ、私ったら、とんだ失態をしでかしてしまったわ。
きっと、呆れられてしまったのよね。
うつむいているリリティスには、
カルレインが、子供のような顔で目を輝かせていることなど、知る由もない。
そうして、結局、カルレインの罠に落ちた。