盲目の天使
「皆、聞いてくれ!」
突然、カルレインが立ち上がったので、兵士たちは、皆、居住まいを正した。
リリティスも、カルレインが、何か重要なことを言おうとしている雰囲気を察して、さっと背筋を伸ばす。
それぞれの顔を、ぐるりと見渡すと、カルレインは言葉を、継いだ。
「俺は、昨夜、リリティスに結婚を申し込んだ。
だが、俺の一方的な告白で、まだ答えをもらっていない!
今からここで、リリティスが俺に返事をくれるらしい。
皆、聞いてくれるな!」
一瞬の静寂の後、わぁっ!!っとおこった大きな歓声で、空気が震えた。