盲目の天使



・・私にも、みんなの役に立てることが、あるはずだわ。



「大丈夫です。

この森は、小さい頃から慣れていますから!」


リリティスは、静止するカルレインに、大きく手を振って駆け出した。


「あの、お転婆め!」


誰も気づかなかったことだが、一歩外へ出ると、

リリティスは、意外に活発な一面を持っていた。


特に、カルレインが求婚した後は、兵士たちとも積極的に会話するようになり、

火のおこし方や、食用の野草の見分け方、獲物を捕らえるための罠の作り方など、

いろいろなことを覚えては、それに挑戦したがった。



・・まったく、元気になりすぎだ。



カルレインは、やれやれといった風に苦笑いして、リリティスの後をおった。




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