盲目の天使

カルレインは、少しの間、顎に手をやって考えていたが、

心を決めると、すぐ行動に移した。


「リリティス。お前は動くなよ」


リリティスのそばからいなくなったカルレインは、

ほどなくして、両手に沢山の葉や木の枝を抱えて戻った。


「それは?」


「雨のあたっていないところを探して、集めてきた。

これでなんとか、しのぐしかないな」


カルレインが、それを床に敷き詰めると、寝台のようなものが出来上がる。


「リリティス。髪を貸せ」


リリティスの長い髪を絞ると、吸い込んでいた水が、ぽたぽたと地面に落ちる。


そうして、カルレインは、自分の着ていた衣を脱いで、同じように絞り始めた。


「リリティス。お前も脱ぐんだ」




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