盲目の天使
「俺に脱がしてほしいなら、そうしようか?
そういえば、初めて会ったとき、着替えを手伝ってやれなかったな」
カルレインは、にやりと口角をあげると、言うが早いか、リリティスの衣に手をかけた。
「じ、自分でやります」
どうやら、逃げられそうもない。
このままでは、確かに風邪をひいてしまうだろう。
旅の途中で、体調を崩せば、どれほど迷惑をかけるのか。
リリティスは、ゆっくりと自分の衣に手をかけた。
手が震えるのは、寒さのせいだけでは、なさそうだった。
リリティスが脱ぎ終わると、カルレインは手早く衣を絞って、
自分のものと一緒に、わきに並べた。
カルレインは、背中を向けたままのリリティスを抱きかかえると、
葉っぱを重ねた上に寝かせ、自分も隣に横になった。
柔らかい肌に、毛布のように、腕を回す。
とたんに、リリティスの体が、びくんと震えた。