盲目の天使
なにげなく、リリティスは、声にする。
「そう言えば、カルレイン様と同じ瞳の色ですね。髪の毛も」
話しているうちに、だんだんそのときのことが詳細に思い出される。
どことなく、傷ついた獣のような目をしていた男。
なんとなく、カルレインに似ている。
リリティスは、思い出して、目を細めた。
「お前は・・・お前は、どんな格好をしていた?」
「え?格好ですか?」
リリティスは、う~んと、考え込んだ。
カルレインは、なぜそんなことが知りたいのだろう。
自分の服装なんて、どうでもいい話のような気がするのに。
「全然覚えてませんけど・・。
ここにいるときは、農民の子供と同じように、わけ隔てなく育てられましたから。
多分、そういう格好をしてたんだと思いますが」
「髪は?髪型はどうだった?今のように、長い髪だったのか?」
「髪?」
どうして、そんなことにこだわるのか。
リリティスには、さっぱり分からなかったが、別に隠す必要もないことだった。
「短髪でしたよ。
いつも真っ黒だったので、よく男の子に間違われてましたけど」