盲目の天使
いっこうに弱まらない雨足は、しかし、二人をぬらすことなく、地面を流れていく。
「リリティス・・」
まるで、体が溶けていきそうに、甘い囁き。
身動き一つ、許されないほどの、熱いまなざし。
リリティスは、一気に体温が上昇するのを感じた。
まるで、全身の細胞一つ一つが、カルレインのとりこになったようだ。
「カルレインさ・・」
リリティスの声は、カルレインの唇によって、奪うようにのみこまれ、
二人は、そのまま、お互いを求めて、きつく抱き合った。
俺の・・天使・・・。
カルレインは、リリティスへのたぎる思いを、すべて注ぎ込んで、夜を明かした--。