盲目の天使

しかし、その天使は、盲目だったせいか、

見る、見られる、ということに関しては、非常に鈍感なようだった。


「で?

お前は、俺を誘っているのか?」


「は?」


カルレインの言葉の意味が分からず、リリティスは、首を傾ける。


「そんな格好で、俺を待っていたということは、

もう一度、愛し合いたいということかな?」


カルレインは、腰に手を当てて、キラキラした瞳で、いやらしく笑っている。

いたずらっ子のような、その瞳。



・・そんな格好?



ゆっくりと、自分の体に視線を落として、リリティスは悲鳴を上げた。


「う、後ろを向いてください!」


リリティスは、両手を胸に当て、なるべく体を小さくする。


昨夜は、すぐに暗くなったので、すっかり忘れていたが。

裸のままだったことを、たった今思い出して、リリティスは、羞恥に体が震えた。



・・カルレイン様の、意地悪!






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