盲目の天使
「まぁ、よくお似合いですわ」
ルシルはまるで、自分のことのように嬉しそうに言うと、
横に流していただけのリリティスの髪を、両側から少しずつ掬い上げ、
上に纏めて、髪飾りを飾った。
「カルレイン様も、きっと気に入りますね」
その言葉に、リリティスは、さっきの出来事を思い出して、うっすらと頬を染めた。
どうしよう、カルレイン様に会うのが、なんだか恥ずかしいわ・・。
自意識過剰だと思いながらも、目が見えない分、余計にカルレインを意識してしまいそうな気がする。
リリティスが、ちょうど着替えを終えた時、馬車の扉が、だだだんと、乱暴に叩かれた。
兵士ならば、もう少し、遠慮がちな、軽やかな音を出すはずだ。
・・カルレイン様。
逃げ場のない、狭い馬車の中を、リリティスは初めて恨めしく思った。