盲目の天使
リリティスの涙の意味を理解できずに、カルレインは、質問を繰り返した。
自分は、何か見落としているのだろうか。
話すのも嫌なほど、嫌われているのかもしれない。
「もう一度聞く。俺の妻になるのが嫌か?」
「・・・いいえ」
長い沈黙の後、リリティスは答えた。
「カナンのために、俺の妻になりたいのか?」
カナンのため?確かに最初はそうだったわ。
でも、今は・・・・。
「カナンを救えるなら、俺でないものの妻でも良いのか?」
・・・いいえ。
そんなのは、嫌。
私は・・・私は、
リリティスは、自分がカルレインに惹かれているのだということを、
ようやくはっきりと悟った。
「カルレイン様を・・お慕いしております・・」