盲目の天使
「む、無理です・・」
リリティスは、やっとのことで口を開いたが、その言葉は、カルレインの望むものではなかった。
「なぜだ?」
体勢は変えず、カルレインは、低く囁く。
「だって・・恥ずかしい・・」
リリティスは、カルレインが、彼女の唇に置いた指を掴んで、
なんとかして、それをはずそうと、悪戦苦闘している。
その様子に、カルレインは、いたずら心をくすぐられた。
にやりと口の端が上がったが、もちろんリリティスには見えない。
「わかった。
では、俺が言うことに、はいか、いいえで答えろ。
いいな?」
それくらいなら何とかなると思い、リリティスは、はい、と小さな声で答えた。