偽装婚約~秘密の契約~
『沙羅が瑞季さんと2人きり、っていうので心配してるんだろ?佐倉』
『なんで俺がんなこと心配しねぇーといけねぇーんだよ。
だいたい、何さっきから馴れ馴れしく沙羅、とか言ってんの?』
『別に馴れ馴れしくてもいいだろ。
実際、俺と沙羅は…』
そこで言葉を切った要はニヤッと笑う。
あの…要くん?
そんなことしたら2人の間でなんかあったと思われるでしょう?
『なんだよ!?なんかあったのか?!』
ほら、現にジュウゴ、勘違いしてるよ?
これ以上放置しといたらヤバイことになりそうだったから仕方なく
「もうやめない?
せっかくなんだから、楽しく行こうよ」
立ち上がって2人の顔を交互に見る。
ジュウゴはまだイライラしている様子だったが
芽依が何やら囁いて落ち着かせていた。
もう、せっかくみんなに癒してもらおうと思ったのに
これじゃあ逆効果じゃん。
はぁ…
あたしは大きな溜め息をつくとソファに座り直した。