オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
そして、数分後。
たたいたことで気分が晴れたのか、言うことがなくなったのか、単に疲れただけなのかはわからないけど、藤岡くんは攻撃をやめた。
フェンスに寄りかかって、ため息のような重い息を吐く。
「……チッ」
「は、やっぱあれやな。まだ俺のが……」
「うぜぇ喋んな」
篁くんの言いたいことはわかる。
たぶん、藤岡くんより自分のほうが強いってことだ。
藤岡くんの鋭い拳を、篁くんはほとんど避けていた。
たまにフェイントをかけられてひっかかっていたけど、真っ正面からの本気のパンチはぜんぶ受け止めていた。
あたしはケンカについてよくわからないけど、たぶん。
篁くんはすごく強いんだ。
藤岡くん以上に。