恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「だけど、付き合って2か月ぐらいかな…?一色くんのタイムが急に落ちてきて。渡センセにも怒られてたみたいだったから、一色くん、かなり焦ってたみたい。」
中川先輩は、缶コーヒーを一口飲んだ。
「それでしばらく二人とも練習に打ち込もうって話になって。なんとか一色くんのタイムが伸びた。」
「それで…、一色先輩と野澤先輩は…?」
川崎さんが、私の横から必死に顔を出して中川先輩に聞いた。
「うん。…そのまま別れたみたい。お互いの記録のために。」
そう言って、中川先輩は缶コーヒーをまた一口飲んだ。
「でも、まだ野澤先輩は一色先輩を想っているんですか…?」
私は少し切なそうな顔をした中川先輩に聞いた。
「そう。気持ちじゃなくてお互いの記録のために別れたわけだから、一色くんの記録を落とそうとする存在を許せないんだと思う。実は去年も同じようなことがあって…」