恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「ねぇ…」


テンションがた落ちの私は、その二人の少し後を歩いていた。


すると後ろからもう一人の新入部員女子、川崎さんに声をかけられた。


「…はい?」


私はテンションが低いまま返事をした。


「…都築さんだったよね?泳げないんでしょ?なんで水泳部に…?」


さっきの自己紹介を普通に聞いていたら、されて当然の質問をされた。


「うん…。あの、先生と喋ってる、愛がどうしても水泳部入りたいみたいで。一人じゃ寂しいから、私も入ってくれって…。」


「へぇ…。あの子、江藤愛でしょ?同中だよ。話したことはないけど。前からかっこいい人にくっついて行くって噂だった。…今度は先生か。」


え?

愛って、中学の時からこんな感じなの??


川崎さんは愛の方を見ながら、少しあきれ顔。


「ちなみに私は純粋に水泳習いたくて。上手く泳げたら、ダイエットにもなるしね。」


「そうなんだ…。」


ちゃんとした目的持って入部した人、いるんだ?


すごいな…。


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