サラリーマン讃歌
第五章

~遊園地~



「キャーーー」
「気持ちいいーー」

男女入り混じった悲鳴や喚声が、其処ら中に響き渡っている。

俺達四人は車で三時間程懸けて、絶叫マシーンが豊富に揃っている有名な遊園地に来ていた。
やはりGW中ということもあって、園内は人で溢れかえっていた。




遊園地に来るまでの道中の車内では、思った以上に盛り上がった。

年齢差のギャップで話題が続かないのでは、という俺の考えは杞憂に終わった。

久保と梓が会話のいい橋渡しになっているのが一番の要因だとは思う。

あるいは俺自信が幼いのか、彼女達が大人なのかは判らないが、俺が想像していたような女子高生像とは違っていた。

その車内での会話の中で梓が、あまり異性に興味のない空見子が俺の噂を度々していた事を教えてくれた。

「『変なおじさんに声をかけられちゃった』とか、『ちょっと気持ち悪かったな』とか言うくせに、なんか妙に嬉しそうなんだよね」

「止めてよ、梓!」

照れた様に顔を赤くして、必死に梓の暴走を止めようとしている。

「たった一度だけしか会ってないのに、インパクトだけは強かったみたいだよ」

空見子には委細構わず、梓はさも楽しげに続けた。

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